秀和赤坂レジデンス
茶色の屋根が特徴の、ラフウォール第1号
茶色の屋根に、ラフウォールの壁。
エントランス前の太陽のステンドグラスが特徴的なレジデンス。
江戸時代の大大名・毛利家の下屋敷があった
檜町公園の向かいに建てられた1968年築の初期の秀和です。
秀和といえば、青い屋根にラフウォールの壁が特徴的ですが
じつはこの組み合わせの一番最初は、青色ではなく茶色の屋根からのスタート。
秀和といえば、というような屋根瓦もないのですが
記念すべきラフウォールの第一号の秀和なんです。
昭和39年(1964年)竣工の秀和赤坂レジデンスは、
青山、鳥居坂に続く、秀和レジデンスとしては第3号。
それまでの2つの秀和と同じく港区エリアのハイクラスの立地に
建てられています。
シリーズ初期の秀和とはいえ、そこは流石秀和。
当時はオリンピック景気が続いた影響もあって
こちらの秀和赤坂までは高級路線を踏襲。
第2次マンションブームとなった1968年ごろから始まる大衆化路線まで
その流れが続きました。
この秀和の竣工時のパンフレットには、それを裏付けるかのように
ホームヘルパーやベビーシッター、医師との連絡、
急患のお世話を行うメディカルアシスタントサービスも備えていたと記載が。
建物の設計監修は、秀和第一号の秀和青山レジデンスを設計した
芦原義信建築設計研究所。
駒沢公園体育館やソニービルに代表される
モダニズム建築を多く産み出してきた芦原義信氏が
南欧風の赤坂レジデンスの設計顧問をしていたことは
あまり知られていません。
外観に目を向けるとラフウォールは
下地の毛羽立ち感が抑えめで、
シックで落ち着きのある茶色い屋根ととてもよく似合っています。
緩やかなS字を描いたアイアン柵もしっかりとご健在。
腰高窓の種類やバルコニーの形状によって
少しずつデザインが異なっていて、こちらの違いを見るのも楽しいです。
一部のバルコニーにある屋根と同色の日除けも素敵。
バルコニーの仕切り板には60年台の秀和らしく
モルタルがしっかりと塗られていますが
こちらもどこかすっきりとした印象です。
ちなみにエントランス前のステンドグラスもご注目。
ステンドグラス自体はほかの多くの秀和にもありますが
ここまで何かの形を模ったデザインはかなり珍しい方。
小ぶりですが一度ぜひ見ていただきたいです。
青山と鳥居坂は当時の近代建築を思わせる直線的な美しさと
合理性を併せもったような、すっきりとした外観でしたが
この赤坂レジデンス以降から徐々に
今日の秀和のような特徴ある装飾になっていきました。
少し俗な言い方になってしまいますが
プロトタイプ感がひしひしと感じられて
眺めているとワクワクしちゃいます。
最初は秀和ブルーも瓦も無いんだ、とすこし驚きますが
見始めるとますます魅力的に感じられるのは
やっぱり秀和なんだと実感します。
最寄りの六本木駅から徒歩6分、檜坂の中腹にあり
ミッドタウンが目の前という、今でもとっても良い立地なところも流石。
上階からはミッドタウンの公園も見え
超都心なのに緑を身近に感じることも
できてしまいます。
街の変貌や時代とともに歩んできた
秀和の系譜を感じられる、赤坂レジデンスです。
マンション名 |
秀和赤坂レジデンス |
所在地 |
東京都港区赤坂6丁目19-40 |
最寄り駅 |
都営大江戸線「六本木」駅 徒歩6分、東京メトロ千代田線「赤坂」駅 徒歩9分 |
築年月 |
昭和39年9月 |
建物構造 |
鉄筋コンクリート造(RC) |
棟総戸数 |
42戸 |
管理会社 |
|
問合せ番号 |
00000240 |
備考 |
RC造地上7階/地下1階建 |
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